コラム:転職を考える方が転職サイトを開く前に考えておくべきポイント
投稿日 : 2019.04.24
今や就寝雇用という神話は崩壊し、数十年というキャリアを一社で完結するのは珍しい時代となりました。つまり、ほとんどの方が転職することになるのですが、転職した後に納得できるかどうかは、判断が分かれます。
今回は、納得できる転職をするために転職活動をする前に考えるポイントを紹介します。いずれは転職したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
転職を考えたときに、いきなり転職サイトを開くような人はたいてい、転職に失敗します。次の職場でも同じような不満が生まれる可能性が高いのです。
では納得できる転職をするにはどうすればいいかというと、転職理由を明確にすることです。
どんな不満があって転職がしたいのか、もしくは転職をした後にどんなことがしたいのかをまずは整理しましょう。この分析の内容によって転職が成功するか失敗するかが分かれると言っても過言ではありません。
例えば仕事が忙しすぎることが原因の場合、なぜ仕事に時間がかかってしまうのか、仕事が速く終わっている人と何が違うのかを考えてみましょう。
「忙しくて大変だ→転職しよう」という曖昧で短絡的な考えでは、転職先でも忙しくなったときに、結局また転職したくなってしまいます。
ブラックな労働環境で社員全体が忙しいという会社もありますが、ちゃんと分析できていれば次はそんな会社を選ぶことはないでしょう。
理由を分析することは、キャリアを築く上でも重要です。
例えば「今の職場では成長が滞ってしまう」という理由の場合は、自分がどんな成長を望んでいるのか明確にしましょう。自然とどんな職場であればそれが実現できるのか見えてくるでしょう。
なんとなく成長したいという理由だけだと、会社が成長しているから、研修が丁寧だからといった表面的な理由だけで選んでしまって、結局自分の成長に繋がらないケースもあります。
転職を考える際にはなぜ転職をしたいのか、その理由を深彫りして明確にしてみましょう。転職以外にも、その問題を解決する方法が見つかるかも知れません。
転職の理由を深掘りしていくのは大事ですが、実は一人で行うのは大変です。特に転職経験が少ない方だと、他の会社がどうなのか判断できないため、転職によって自分の課題が解決できるかわからないからです。
客観的に自分が置かれている状況を把握するために、誰かに相談してみましょう。転職する相手は誰でもいいわけではなく、転職相談のプロにするのがおすすめです。
例えばハローワーク。厚生労働省が設置している行政機関で、全国から100万件を超える求人が集まっています。失業保険の手続きなども受け付けており、転職やキャリアに関しても相談に乗ってもらえます。
同じく厚生労働省が提供しているサービスに「おしごとアドバイザー」(※2022年3月31日終了)というものがあります。平日の夜や土日に、メールや電話ベースで転職について相談できるサービスです。仕事が忙しい方でも、気軽に相談することができます。
民間企業では、転職のプロである転職エージェントがいます。いわゆる「人材紹介サービス」を行っている人たちです。転職サイトには載っていないような非公開求人などを扱っている場合もあり、意外な求人に出会えるかもしれません。
民間企業であるためにキャリアアドバイザーとしての質も高く、長期的なキャリア形成についても相談できるでしょう。
転職は人に相談した方がいいとは言いましたが、相談しない方がいいという相手もいるものです。仕事が忙しいと職場以外の人間と会う機会が減って、近場の人に相談しがちになるので気をつけましょう。
例えば会社の上司。上司からすれば部下が転職するのは面白くありません。私情がからむため、適切なアドバイスを受けることは難しいでしょう。また、「いつか転職をするかも知れない」というイメージを持たれると、結局会社に残っても仕事に影響が出ます。
似た理由になりますが、同僚への相談もおすすめしません。同僚も転職のプロではないので、適切なアドバイスを受けることは難しいでしょう。さらに悪いことに、転職の相談をしたことが上司や社内に広まってしまうと、仕事に影響が出る場合もあります。
基本的に転職することがある程度決まるまでは、社内の人に転職の意思を見せるのは良くありません。
一番難しいのは家族、もしくは将来を考えている恋人です。こちらも転職の相談をしたからといって適切なアドバイスがもらえるわけではありませんが、相談しないとまた問題になります。
転職が直前で奥さんが転職に口を出す「嫁ブロック」という言葉をご存知でしょうか。嫁ブロックの原因のほとんどは転職すること自体ではなく、二人の未来について何も相談されなかったことです。円滑に転職を進めるためにも「転職の相談」ではなく、二人の将来に関する相談はしておきましょう。
転職活動というと会社を探して面接を受けることを連想しがちですが、実はその前の段階の方が重要なのです。こんな理由で辞めるから、次はこんな会社に行くということをしっかり明確にしなければなりません。そのためには人に相談しながら明確にすることも大事ですし、面接が始まってからも改めて見直していくことも大切です。
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