コラム:【2021年(令和3年)路線価が発表!】地価の動向を掴んでおこう
投稿日 : 2021.07.14
2021年7月1日に令和3年度の路線価が発表され、「全国平均で0.5%下落」となりました。
路線価は毎年国税庁の発表するもので、1月1日時点の地価が基準となるため、今回の発表で初めて新型コロナウイルスの影響が数値に織り込まれることとなりました。
本記事では、不動産業界への転職を考えている方に、路線価についての基礎知識や地価動向の掴み方を解説していきたいと思います。
目次
2021年7月1日に、国税庁より令和3年分の路線価が発表され、全国平均で0.5%下落となりました。
路線価の全国平均が下落するのは6年振りのことです。
これまで東京オリンピックや円安によるインバウンド需要や都市再開発が活発に行われたことなどを理由に地価は上昇傾向にありました。
しかし、2020年より新型コロナウイルスが感染拡大し、経済的に大きな影響を受けたことが原因です。
都道府県別でみると、全国39の都道府県がマイナスに。
東京や大阪などはインバウンド需要の大きな県であり、東京-1.1%、大阪-0.9%と下落幅が大きくなっていることが分かります。
福岡県や沖縄県など、一部の県では上昇していますが、昨年の上昇率から比べると大きく鈍化しており、喜べる状況ではないでしょう。
令和2年 | 令和3年 | |
福岡県 | 4.8% | 1.8% |
沖縄県 | 10.5% | 1.6% |
冒頭でも触れていますが、相続税路線価は主に相続税や贈与税の課税のため、国税庁が毎年7月1日に発表するもので、1月1日時点の地価を基準としています。
このため、実際の地価とは少し遅れて発表されるという特徴があります。
2021年の路線価は2021年1月1日時点の地価を基準としているのです。
なお、2020年の路線価は2020年1月1日時点の地価を基準としており、新型コロナウイルスの影響が反映されていませんでした。
このため、世間はコロナ禍による経済的影響を大きく感じていながら、路線価は全国平均でプラスという状況になってしまっていました。
特に前年までインバウンド需要の大きな地域を中心に地価が上昇していたのにも関わらず、コロナ禍で大きなダメージを受けたのがそうした、インバウンド需要の大きな地域だったこともあり、現況と路線価との乖離が懸念されたのです。
こうしたこともあり、国税庁は発表後も大きな下落があった場合には路線価を見直すという異例の発表をしており、実際にコロナ禍で地価が大幅に下落した大阪市中央区の繁華街「ミナミ」周辺を対象に減額修正(補正)がなされました。
2021年分についても、発表後に地価の下落が見られた場合には路線価の見直しを実施することが発表されています。
コロナ禍による影響の大きさを考えると、全国平均でマイナス0.5%という結果は小さいと感じる方も多いのではないでしょうか。
例えば、2021年1~3月期の四半期別GDPは二次速報値で-1.0%(年率-3.9%)となっています。
観光業や飲食業など、コロナ禍による影響の大きな業種を含めての数値となりますが、路線価の数値を見てみると、全体として不動産業界への影響は小さいと考えることもできるでしょう。
なお、ハウスメーカー等への転職を希望されている方に向けて、住宅着工戸数について以下記事で詳しく書いています。
不動産の地価は路線価以外にも公示地価や固定資産税評価額などいくつかの公的な指標があり、一物五価、あるいは一物六価と呼ばれています。
まずは、こうした公的価格があることを知り、またどのようにすれば情報を得られるか知っておくとよいでしょう。
調査主体 | 基準日 | 公表日 | |
公示地価 | 国土交通省 | 1月1日 | 3月下旬 |
都道府県基準地価 | 都道府県 | 7月1日 | 9月下旬 |
相続税路線価 | 国税庁 | 1月1日 | 7月初旬 |
固定資産税評価額 | 市町村 | 1月1日 | 3~4月頃 |
※一物五価の場合は上記に「時価」が、一物六価の場合は上記に「鑑定評価額」が加わります。
なお、公示地価については以下で詳しく解説しています。
また、公示地価や路線価以外にも地価の動向を掴む方法として、不動産経済研究所や東京カンテイなどの民間の研究機関や、地価以外のGDPなど国が公表する経済指標を参考にするのもよいでしょう。
2021年の相続税路線価についてお伝えしました。
相続税路線価や公示地価など公的機関の公表するデータは、不動産業界の市況を判断するのに役立ちます。
また、こうしたデータの調べ方を知っておくと、不動産業界への転職後にさまざまな場面で役立つでしょう。
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