コラム:建築確認申請とは?建築・不動産業界で働くなら知っておくべき基礎知識
投稿日 : 2020.05.25
建築確認申請についてご存知でしょうか。
建築業界への就職を考えており、勉強している方にとっては当たり前の内容かと思いますが、建築業界や不動産業界についてこれから勉強していくといった方にとってはなじみの薄い言葉なのではないでしょうか。
本記事では、建築業界や不動産業界への転職を考えている方に向けて、建築確認申請について、それぞれどのような業務で関係してくるのかなどお伝えしていきたいと思います。
目次
建築確認申請とは、家を建てる際に図面などを提出し自治体に対して建築の許可を得るために申請する制度のことを指します。
建築確認は着工前と完成後の2回行われ、その都度申請する必要があるのです。
建築確認では建築しようとする建物やその地盤が建築基準法に適合しているのかを確認します。
建ぺい率や容積率・耐久率などが規定に違反していないか、居室の採光率ややシックハウス対策・省エネ基準に達しているのかなどがチェックされます。
この建築確認が通らないと建物を建築することができません。
1回目の建築確認で上記などを確認し、完成後の2回目の確認で申請通りに建てられているのかを確認します。
建築確認申請は建築主である家のオーナーがするものですが、図面や資料の提出が必要となり一般の人では難しいものです。
また、建物の規模によってはそもそも建築士等の資格を持っていないと申請できません。
そのため、ほとんどの場合が建築を行う建築業者が代理で申請しています。
建築申請は、建築主事のいる特定行政庁か国土交通大臣や都道府県知事から指定された民間の指定確認検査機関に行います。
建築確認は、今現在建物のない場所に建物を建てる場合、どのような建物であっても必ず必要となります。
建築確認がなければ建物を建てることができないため、建築関係の仕事には必ず必要となる手続きです。
特に新築の建物を取り扱う仕事であれば、建築の度に提出する必要があります。
また、新築以外でも改築・移転・リフォームでも床面積が10㎡以上の建物は建築確認申請が必要となります。
建物を建てない不動産関係の仕事であれば建築確認が関わらないかというとそんなことはありません。
特に不動産の売買を行う場合に建築確認に関する書類が重要になってくるのです。
不動産の売却を行うには、不動産や所有者の情報として様々な書類を用意しなければならず、その中に建築確認通知書・検査済証が含まれています。
2回行われる建築確認のうち、1回目での建築確認で建築予定の建物が建築基準法等に適合していると許可された際に交付されるのが「建築確認通知書」。
また、2回目に行われる建築工事の完了時の検査で申請通りの建物であると認められた際に交付されるのが「検査済証」です。
建築確認通知書・検査済証ともに紛失した場合、原則再発行はできませんが、それに代わる証明書を発行してもらうことは可能です。
より良い条件で不動産の売買を行うためには、図面や書類等不動産の状態がわかるものを多く用意する必要があります。
また、建築確認通知書があれば建築確認基準法などにきちんと適合しており、欠陥がないことを証明でき、買い手によりアピールすることができるのです。
逆に建築確認が提示できない場合売買自体ができない場合や余計な手間が掛かったりする場合があります。
不動産業者や建築業者が新築物件の広告を行なうには建築確認を通っている必要があります。
公正競争規約(表示規約)では広告表示の開始時期に対して制限を行っており、建築確認前・建築確認申請中の物件は広告とみなされる表示はできないのです。
また、新築物件の広告では、建築確認を受けた際に交付される建築確認番号を記載する必要があります。
住宅ローンやアパートローンを組む場合、検査済証が必要となります。
2003年に国土交通省から建築済証のない建物への住宅ローン融資を控える旨の要請が金融機関に対して行われ、それ以降ローンを組む際には検査済証がほぼ必須となったのです。
検査済証がない場合、建築基準法適合状況調査(ガイドライン調査)を行い、建物が適正に建築されているかを確認してもらい、建築基準法適合状況調査報告書や耐震基準適合証明などを提出することでローンを受けることができます。
ただし、それらの証明書を取得するには売主の合意が必要である場合や、コストもかかるなど手間がかかるものです。
建物を建築する際に必要な確認申請についてお伝えしました。
建築物が建築基準法などに適合しているのかチェックしてもらう建築確認の申請は、新築や一定条件以上のリフォームなどを行う際には必ず必要となります。
建物を建てる建築関係の仕事では必須とも言え、また、不動産関係の仕事でも売買を行ううえの必要書類としてとても重要となります。
建築業界・不動産業界どちらに転職するとしても建築確認申請の知識が必要となりますので、転職前にしっかりとして知識をつけておくようにしましょう。
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