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コラム:休日出勤手当の計算方法|ケース別でも解説

投稿日 : 2019.12.03

休日出勤手当の計算方法|ケース別でも解説

せっかくの休日に上司から命じられて休日出勤になってしまったけど、「割増で手当をもらえるからいいか」と考えている人は多いと思います。

ですが、すべての休日出勤に割増の手当がつくわけではありません。

そこで本記事では、休日出勤手当がつく休日とそうでない休日との違い、休日出勤手当の計算方法について解説していきます。

休日・休暇の基礎知識

法定休日と法定外休日(所定休日)の違い

労働基準法で企業は原則「週に1回」もしくは「4週に4回」、従業員に休日を付与しなければならないと定められています。法律によって定められた休日が「法定休日」で、それ以外の会社が独自に定めた休日は「法定外休日」といいます。

例えば土日が休みの会社であっても、日曜日を法定休日と定めている場合は土曜日は法定外休日となります。この場合、日曜日の「法定休日」に出勤すれば休日出勤になりますが、法定外休日の土曜日に出勤しても休日出勤には当たりません。つまり土曜日(法定外休日)に出勤しても、割増の手当はつかないということになります。

休日と休暇の違い

休日とは労働者が労働義務を負わない日を指すのに対し、休暇とは労働者が労働する義務がある日に会社が労働義務を免除した日のことを指します。

さらに休暇には、一定の要件を満たす会社は法律上必ず付与しなければならない「法定休暇」と、就業規則に基づいて任意を付与している「任意休暇」があります。

たとえば、有給休暇や育児休暇は「法定休暇」ですが、慶弔休暇やリフレッシュ休暇は「任意休暇」となります。また、休暇中の賃金の支払いに関しては、有給休暇以外は会社と労働者で任意に定められているため確認しましょう。

振替休日と代休の違い

「振替休日」は、あらかじめ所定の休日を他の勤務日と入れ替えることを言うのに対し、「代休」は休日出勤させる代わりに他の勤務日の勤務を免除するものです。

そのため、代休の場合は休日手当が発生するのに対し、振替休日は休日手当は発生しません。休日に出勤する場合には、振替休日なのか、代休なのかをかならず確認しておきましょう。

休日出勤をした場合の休日手当の計算方法

法律で定められている法定休日に出勤をした場合、休日手当が発生します。休日手当をどのように算出するのか計算方法を紹介します。

ステップ1:1時間あたりの賃金を割り出す

まずは1時間あたりの賃金を割り出します。月給制の場合は、以下の計算式から算出します。

月給÷1年間における1ヶ月平均所定労働時間

1年間における1ヶ月平均所定労働時間は、365日から年間の所定休日日数を引いて所定労働時間を割り出し、次の計算式で算出します。

(1年間の所定労働日数×1日の所定労働日数)÷12

なお、手当を月給に含めるかどうかは手当によって異なります。毎月、固定で支給されている手当の場合には月給に含めますが、固定でない場合には含めません。

ステップ2:割増率を掛け合わせる

ステップ1で割り出した時給に割増率をかけ合わせると、休日出勤時の時給が算出されます。法定休日に出勤した場合は、割増率が35%以上に設定されています(会社の就業規則に書かれています)。たとえば1時間当たりの賃金が2,000円の場合は、2,000×1.35=2,700円が休日出勤時の1時間当たりの賃金となります。

ステップ3:出勤した日数・時間を掛け合わせる

実際に休日出勤した際の労働時間に、休日出勤時の時給をかければ休日出勤手当が算出できます。たとえば休日出勤が1日8時間で3日間出勤した場合は、2,700円×8時間×3日=64,800円となります。

ケース別・休日出勤手当の計算方法

1時間当たりの賃金が2,000円の場合、以下のケースではどのような賃金が支給されるのかを見ていきます。

法定休日に2時間残業した場合(法定労働時間内)

法定休日に法定労働時間(1日8時間、1週40時間)以上働いた場合でも、深夜労働(午後10時~午前5時の労働)以外の時間であれば、時間外労働の割増賃金の対象になりません。

そのため、休日出勤時に支払われる35%の割増分のみが適用となります。

1時間当たりの賃金2,000円×1.35=2,700円

2時間残業しているため、2,700円×2=5,400円となります。

法定外休日に1時間残業した場合(法定労働時間時間内)

法定外休日に残業した場合、法定労働時間内(1日8時間、1週40時間以内)であれば割増賃金は発生しません。そのため、1時間当たりの賃金は2,000円となります。

法定休日に4時間残業した場合(法定労働時間外+深夜残業)

法定休日に、法定労働時間(1日8時間、1週40時間以内)外、かつ、深夜労働(午後10時~午前5時の労働)をした場合は、休日出勤35%と深夜残業25%の合計60%が適用となります。

1時間当たりの賃金2,000円×1.6=3,200円。4時間残業しているため、12,800円となります。

休日には実は種類があり、どの休日なのかによって休日手当が有無が変わることを理解してもらえたと思います。会社によって法定休日は異なるため、後ほどトラブルを発生しないようにするためにも予め就業規則を確認しておきましょう。

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