コラム:2022年注意したいのは「練馬区」「世田谷区」「江戸川区」の3区?理由や特徴・対策を解説
投稿日 : 2021.11.10
不動産業界への転職を考えている人の中には、生産緑地の2022年問題について耳にしたことのある方もいらっしゃるでしょう。
2022年問題は不動産業界や農業関係者が大きな関心を寄せている問題です。
特に生産緑地が多い「練馬区」「世田谷区」「江戸川区」においては何かしらの影響を受ける可能性があり、注意が必要です。
本記事では、2022年問題において特に注意が必要なエリアについて、その理由などと併せて解説します。
不動産業界への転職を考えている方は、ぜひ参考になさってください。
目次
まずは、2022年問題についておさらいしておきましょう。
生産緑地制度は都市部にある緑地を守るため、1992年に制定されました。
市街化区域に緑地がなくなってしまうと防災や環境の面で問題がでるだろうという考えが制定の背景にあり、生産緑地地区に指定されると、30年間は農地として管理することが義務付けられます。
そのため建物を建てたり、勝手に土地を売却することができなくなります。
1992年に生産緑地制度がスタートし、同年に多くの生産緑地地区が指定されました。
その生産緑地地区の多くは30年後の2022年に指定解除を行うことが可能です。
そのため一斉に指定解除が行われ、多くの土地が一斉に売りに出されることで地価の下落につながると考えられているのが、2022年問題です。
2022年問題については、以下記事で詳しく解説しています。
東京都区部には2020年4月時点で約401ヘクタールの生産緑地があります。
その中でも生産緑地が多いエリアは、「練馬区」・「世田谷区」・「江戸川区」です。
中でも「練馬区」は最も多く約178ヘクタール、生産緑地全体の約44%を占めます。
2番目は「世田谷区」で約85ヘクタールで約21%の生産緑地があり、3番目に多い「江戸川区」は約36ヘクタール、約9%です。
生産緑地の指定解除後は固定資産税が宅地並みに上がることを考えると、急いで売却を進める土地の所有者もいるでしょう。
その土地が市場に大量に供給されると、地価が大幅に下がるかもしれません。
「練馬区」「世田谷区」「江戸川区」には多くの生産緑地があることから、大きな影響を受ける可能性があります。
土地売却に向けた早期の活動や、特定生産緑地の指定を受け10年後に土地売却を行うなど、状況に合わせた対応が必要です。
練馬区は緑が多く閑静な住宅地です。
生産緑地には約178ヘクタールという広大な土地が指定されています。
23区の中で世田谷区の次に人口が多い区で、近年では副都心線や大江戸線が開通したことで、マンション建設も進み今後も人口の増加が期待できるエリアです。
広大な生産緑地の指定解除が行われ、マンション用地や宅地に転用されるとさらに供給過多が進み、物件価格の下落などの影響が出るかもしれません。
世田谷区は東京区部の中で最も人口が多く、大規模マンションや団地が多くあります。
田園調布を始めとした高級住宅地があるエリアですが、約85ヘクタールの生産緑地の指定解除が行われると土地供給が多くなり、不動産価格の下落が予想されています。
マンション建築や住宅用地として多くのニーズが想定されますので、不動産営業であればマーケット状況を注視し適切なタイミングでの売却が重要です。
江戸川区には約36ヘクタールの生産緑地があります。
水と緑に恵まれた生活環境に優れたエリアです。
都心部へのアクセスの良さや子育て世代への支援が魅力的で若い世代のベッドタウンとして成長しています。
生産緑地の解除後は子育て世代向けの住宅地などとしての需要が期待できますが、土地の供給過多になることでの地価の下落リスクが高まります。
不動産営業はハウスメーカとの連携や関係性づくりを行うと早期販売できる可能性が高まるでしょうが、販売価格の設定など注意が必要です。
東京以外の都市部にも生産緑地の多いエリアがあります。
具体的には、以下3つです。
いずれも「都心に近いけれど、緑が多い」という特徴を持った都市。
生産緑地の指定解除と共に、緑地が宅地へと転換されることで、緑が多く生活環境に優れた街から一般的な住宅街へと変化し、魅力を損なうことが危惧されます。
それぞれ見ていきましょう。
横浜市には約276ヘクタールの生産緑地があります。
多くの土地が生産緑地として残っていますので、一斉に宅地に転換されるとやはり地価が下がる可能性が高まります。
市が生産緑地所有者向けの説明会を行っていますので、所有者の中には早期の売却を希望する方がいらっしゃるかもしれません。
不動産会社としても生産緑地の買取りや売却依頼獲得の為に積極的に動くと仕事につながるかもしれません。
堺市には約149ヘクタールの生産緑地があります。
生産緑地の指定は農地の減少抑制に効果的だと考え、特定生産緑地制度や指定要件の緩和などについて市が周知を行っています。
愛知県では名古屋市を中心に生産緑地が多く存在し、名古屋市に約252ヘクタールの生産緑地があります。
生産緑地が宅地として供給される場合、多くの不動産取引が行われることが予想されます。
エリアごとの生産緑地についてお伝えしました。
生産緑地地区の多くは2022年に指定解除を行うことが可能になり、土地の多くが宅地として供給されることにより地価の下落が起こるリスクがあり、都市部に近いほど影響を大きく受ける可能性があります。
生産緑地に関連するエリアでの転職を考えているケースはもちろん、そうでない場合でも、不動産業界全体の問題として、一通り知っておくことが大切です。
なお、2022年問題は、特定生産緑地制度の導入や生産緑地内の施設の制限緩和、面積要件の緩和等の対策が行われ、不動産価格への影響が緩和される可能性も充分にあります。
とはいえ、現段階では不透明な部分も多く、知識を持ったうえでしっかり動向を追っていくことことをおすすめします。
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