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コラム:ベンチャー企業に負けないベンチャー型事業承継の魅力とは

投稿日 : 2020.05.22

ベンチャー企業に負けないベンチャー型事業承継の魅力とは

ベンチャー企業に負けないベンチャー型事業承継の魅力とは

これまでにない画期的な事業を展開し、目に見えて成長するベンチャー企業は転職市場で非常に高い人気を誇ります。その一方で老舗の中小企業は、事業の発展性に欠けるなどの理由から転職希望者からの注目度はあまり高くありません。しかし、後継ぎのタイミングで大きく事業転換し、今の時流にあった事業を展開する「ベンチャー型事業承継」が増えていることをご存知でしょうか。

この記事ではベンチャー型事業承継とはなんなのか、どんな事例があるのか紹介していきます。これまで老舗の中小企業は転職の対象から外してきたという方は参考にしてください。

ベンチャー型事業承継とは

ベンチャー型事業承継を支援している「一般社団法人ベンチャー型事業承継」によると、ベンチャー型事業承継は「若手後継者が、先代から受け継ぐ有形・無形の経営資源を活用し、リスクや障壁に果敢に立ち向かいながら、新規事業、業態転換、新市場参入など、新たな領域に挑戦することで、永続的な経営をめざし、社会に新たな価値を生み出すこと」と定義されています。

簡単に言えば、中小企業の後継者が家業のリソースを使って新規事業を始めることを指します。新たな価値を生み出していくという点はベンチャー企業と同じですが、ベンチャー型事業承継にはベンチャー企業にないメリットがいくつかあるので見ていきましょう。

業界への知見がある

ベンチャー型事業承継を行う後継者は、小さなころから親の背中を見て育っているため、業界への知見が深いです。既に家業の技術を身に着けているケースの他にも、技術はなくても技術を目利きできるケースもあります。一般的なベンチャー企業がゼロから業界について学ぶのに比べて、大きなメリットになるでしょう。

商流と信用がある

老舗の中小企業には仕入先や取引先に築いてきた信用があります。同じ事業をするわけでなくても、業界内で信用があるのは大きなメリットになります。信用はお金では買えないため、一般的なベンチャー企業と比べたら大きな差です。

ストーリーが作りやすい

ベンチャー型事業承継は、家業の伝統に基づいて商品に対する深いストーリーを作れます。共感されるストーリーは売上に繋がるだけでなく、社会における大きな存在感を作る役割があるのです。ストーリーづくりに苦戦するベンチャー企業も多い中で、他社が真似できないストーリーを作れことは、ベンチャー型事業承継の大きなメリットです。

ベンチャー型事業承継の事例

家業のリソースを使って新しい価値を生み出すといっても、いまいちイメージの湧かない方もいるのではないでしょうか。実際にベンチャー型事業承継を行って、事業を成功させた事例を見ていきましょう。

株式会社DG TAKANO

DG TAKANOは社会課題を解決するための製品を作っているベンチャー企業で、節水ノズル「Bubble90」でその名を広めました。特殊な技術で最大95%の節水を可能にする「Bubble90」は途上国の水不足を解決しています。その技術を支えているのが、代表の高野氏の家業であるガス器具の部品を製造する高野精工社。一流の技術を持ちながらも、利益を出せない家業に魅力を感じなかった高野氏は、その技術を使って節水市場に打って出たのです。

今では家業の工場だけでは生産が追いつかず、セブ島に生産拠点を設けるほどにまで成長しました。家業をそのまま継がなかったものの、その技術を見事承継したベンチャー型事業承継として注目を集めています。2015年には「大企業で働く3000人が選ぶ『働きたいベンチャー企業ランキング』」(トーマツ ベンチャーサミットMorning Pitch Expo)で1位に輝いており、転職市場での人気の高さも伺えます。

株式会社カスタムジャパン

カスタムジャパンは全国に数十万店舗あるバイクや自動車の販売店、整備点に向けてモーターパーツのカタログ販売を行っている会社です。1954年に創業されたバイク部品を扱う「鶴橋部品」を、現代表の村井氏が2005年にベンチャー型事業承継しました。20代のころはITベンチャー企業の役員として、数々の新規事業の立ち上げに携わってきた村井氏はもともと家業を継ぐ気はありませんでした。しかし、2代に渡って守ってきた家業を潰すわけにはいかないと実家で働くことに。既存の家業で働きながら、現在の通販事業を新規事業として始めました。

家業の経営資産も使いながら、現在は業界トップシェアまで登りつめたカスタムジャパン。村井氏は現在、ベンチャー型事業承継のセミナーを全国で行い、家業を持つ大学生などにも積極的にその魅力とノウハウを伝えています。「斜陽産業にこそ勝機がある」と語る村井氏は語っています。

 

 

 

現在多くの中小企業が、経営者の高齢化や後継者の不在で仕方なく廃業するケースが増えています。その中には順調に経営を行っている企業も少なくなく、優良企業の資産やノウハウが失われることが日本の大きな課題になっているのです。日本には目立たなくとも優れた技術が数多くあり、その「枯れた技術」をうまく活用することが求められています。もし転職を考えている方は、キラキラしたベンチャー企業だけでなく、隠れた魅力を持つ老舗の中小企業にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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