コラム:営業を効率化させる「アカウントベースドマーケティング」とは
投稿日 : 2021.01.26
近年、営業やマーケティングの領域で注目を浴びているのが「アカウントベースドマーケティング(以下、ABW)」という考え方。アカウント、つまり企業を単位としてマーケティングという考え方です。
これまでもターゲットを絞ってマーケティングを行う手法は行われてきましたが、それらとは何が違うのか、なぜ今の時代に注目を集めているのか紹介していきます。営業・マーケティングを効率化したいと考えている方は参考にしてください。
目次
ABMとは、優良な顧客に対して効果的なアプローチする手法のひとつで、ターゲットとなる企業のことをよく知って、複数の部門が連携して適切なタイミングで適切な商談を行うことです。
従来の営業活動のように、幅広い顧客に対して均一なアプローチをするのではなく、売上が最大化する顧客を明確にして、戦略的に、組織的にアプローチしていきます。
1社1社に合わせたマーケティングをするとなると、従来の何倍もの手間がかかるようにも思えますが、通常の100倍もの売上のポテンシャルが見込めるクライアントであれば、10倍の手間をかける価値があるでしょう。
考え方自体はシンプルなものの、実際に戦略的に取り組めている企業は多くありません。その背景には、実現に必要なツールがあること、これまで以上にマーケティングと営業が連携する必要があることなどが挙げられます。
ABMを行うことで、どのようなメリットが得られるのか見ていきましょう。
ABMに取り組むことで費用対効果が上がります。一社あたりの手間が10倍になったとしても、売上が100倍になるのであれば費用対効果は10倍です。無駄な手間を省くことにもなるので、余計に効率的な営業が可能です。
ABMでは、特定のクライアントに狙いを定めたキャンペーンやコミュニケーションが可能なため、それぞれに最適なプロモーションが可能です。クライアントとしてもパーソナライズされたコンテンツに興味を示すため、営業成績が上がるのも当然です。
一社ずつマーケティングを行うので、業界全体をマーケティングするよりも効果的なPDCAが回せます。より細かいデータをとることで、マーケティングや営業の仮設と検証が立てやすくなり、高速で施策に移せるようになります。
ABMでは、営業とマーケティングの連携が肝になります。従来のマーケティング手法では、マーケティングと営業の連携で無駄が生じていた企業も少なくないでしょう。密に連携することで、社内のムダも削減できます。
企業ごとに最適なマーケティングをするというのは、決して珍しい考えではないにも関わらず、なぜ今注目を集めているのでしょうか。その背景には営業ツール、マーケティングツールにおけるテクノロジーの進化が寄与していると考えられます。テクノロジーにより営業とマーケティングの現場がどのように変わってきているのか見ていきましょう。
従来の名刺管理といえば、それぞれの営業社員によって管理されていました。しかし、今は名刺管理ツールがあるため、全社で名刺を管理し情報資産として活用できるようになっています。それぞれの営業がどのクライアントの誰と会ったのか、逆にどの部門とのコンタクトがとれていないのかが一目で分かります。それにより、ターゲットに対して組織的なアプローチが可能となりました。
SFAやCRMといったツールが発達したことにより、各企業にどのようなアプローチをしたのか細かく可視化できるようになりました。いつ、誰が、どのようなアプローチをし、商談がどのフェーズにあるのか分かれば、次にどのアクションが最適か分かりやすくなります。既に契約しているクライアントとも、どのような取引が行われ、どのようなニーズを持っているか可視化されるため、取引の継続はもちろん拡大のためのアプローチも可能です。
時代の変化により、従来の飛び込みやテルアポといった営業活動から、Webを利用したリード獲得にシフトしています。獲得したリードの情報を一元管理し、企業ごとの見込み度合いを把握するのに適したのがMAツールです。
MAツールを使うことで、リードの業種や売上、従業員規模などを細かく管理し、どのようなアプローチが最適かが分かりやすくなります。各企業のポテンシャルを適切に把握することで、どのアカウントにアプローチすべき判断しやすくなるでしょう。
ABMは考え方はシンプルなものの、実践するには企業全体での取り組みが必要です。組織の連携やツールの見直しが必要なものの、うまく運用することで企業活動の無駄をなくして業績を伸ばすことが可能です。効率的にマーケティング・営業をしたい方はぜひ取り掛かってみてください。
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