コラム:転職に有望?今後の不動産業界を左右する5つのトピック
投稿日 : 2019.04.05
不動産業界への転職を考えている方であれば、今不動産業界がどんな状況なのか、これからどう変わっていくのか気になっている方も多いでしょう。ITの影響をどのように受けるのか、オリンピックが終わった後はどうなるのか、ポイントはたくさんあります。
今回は不動産業界の今と将来について、知っておくべきトピックを紹介していきます。不動産業界への転職を考えている方はもちろん、不動産に興味のある方も参考にしてください。
マンション市場には新築と中古がありますが、日本ではもともと新築の方が人気は上でした。
しかし、ここ数年は中古マンションの人気が上昇し、逆転しています。その理由の一つが価格の高騰。マンション用地が高騰しているため、新築マンションの価格も右肩上がりの状態が続いています。
それだけでなく、震災特需からオリンピック特需へと続き、さらに企業業績の改善からビルの建て替えもあるため、今やバブル期よりも建築費が高くなっているのです。
それでも2016年までは外国人の爆買いや相続税対策による購入が見られましたが、そういった需要も減ってきています。これまでの不動産業界の常識が通じなくなる可能性は高いでしょう。
ITの進化によって、私たちの生活は大きく変わりました。各業界でもさまざまなテクノロジーが生まれ激変してきましたが、その中でもITによる変革が遅いと言われているのが不動産業界でした。
しかし、ここ数年で少しづつ不動産業界にもテクノロジーによる変化が生まれ、「不動産テック」なる分野も確立されてきています。
例えば内見。これまでは現地に内見に行けない場合は写真や動画、そして現地の不動産屋さんから情報を得るしかありませんでした。
しかし今は、VRを使って現地を訪れて内見しているかのような体験ができます。現在、移住が増えていますが、ゆっくり内見する時間のとれない人にとっては嬉しい変化です。
また、実際に内見に行く際の鍵の受け渡しにも大きな変化が起きています。
以前であれば、不動産屋のスタッフと一緒に訪れるか、ナンバーロック式の箱の中に鍵が入っているのが一般的でした。しかし、現在ではスマホで鍵の開け締めができる「スマートロック」が使われるようになっています。
スマホに鍵を開ける権限を貰えれば、不動産屋の付きそいもなく内見が可能になります。このように不動産テックによって、不動産に関わる業務や作業がどんどん効率化されていくでしょう。
部屋を借りる時には当たり前の敷金・礼金。どちらもゼロの物件もなくはないですが、選択肢がとても絞られてしまいます。そんな日本の不動産業界に新しいトレンドを持ち込もうとしているのが、インドのベンチャー企業「OYO」です。
現地インドでは最大級のホテルチェーンと知られる同社が、日本の不動産業界に目をつけました。
OYOの賃貸サービスの特徴は大きく4つ。「敷金・礼金・仲介手数料ゼロ」「家具家電付き」「スマホから契約も退去まで可能」「3日間の住み試しも可能」。
これまでの日本の賃貸業界の常識を大きく覆すサービスです。まだ日本でサービスを開始して間もないですが、今後は敷金礼金ゼロが当たり前の時代が来るかもしれません。
良くも悪くも不動産業界の大きな変わり目になると言われている2020年の東京オリンピック。それを気に価格が暴落するという専門家もいれば、2020年以降も変わらないという専門家もいます。
暴落するという根拠はいくつかありますが、例えば省エネ基準の厳格化。基準以下の中古物件が市場に多く出回るため価格が下がります。また、これまで日本の不動産を購入していた海外不動産投資家が減少し、空室が増えることなどが挙げられます。
逆に暴落しないという根拠は、オリンピックによってインフラが整備され外国人居住者が増えるという説。また、地方から東京への人口流入は一定数見込まれるため空き家問題が解決される説。さらに、金利の低さから住宅を購入する方やリフォームをする人が増えていることが挙げられます。
どちらのケースが実現しても不思議はないので、どちらになっても対応できるようシミュレーションしておきましょう。
現在、大きな社会問題として取り上げられている空き家問題。世界の先進国の空き家率が数%なのに対し、日本はすでに10%以上。30%を超えると国の財政が破綻すると言われています。
地方では自治体単位で「空き家バンク」なるものを作り、空き家を活用して欲しい人と、空き家を活用したい人をマッチングしています。
しかし、問題は空き家が活用できることの認知度が低いこと。各自治体やNPOと組みながら、いかに空き家を有効活用していくかが不動産業界の課題だと言えるでしょう。
これまで長らく続いた業界構造に変革の時期が訪れている不動産業界。特に人々の生活に密着している不動産は、日本が抱えている少子化などの社会問題の影響を直接受ける業界でもあります。
将来を見越して動くことが、これからの不動産業界では求められていくでしょう。
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