コラム:相続登記が2024年より義務化!具体的な内容を押さえておこう
投稿日 : 2022.07.29
2022年時点では、相続した不動産の名義変更(相続登記)に義務はありません。しかし、相続登記を済ませておかないとさまざまな問題に発展する可能性があるもの。
以前から相続登記に期限がないことに対して、問題点があることは指摘されてきていましたが、2024年に法改正がなされ、相続登記が義務化されることになりました。
本記事では、相続登記の基本的な内容と、2024年に義務化されることについてご紹介していきます。
目次
ご両親が亡くなるなどして、不動産を相続した場合、そのことを第三者に示すため、法務局で名義変更の手続きをしなければなりません。
この相続時の名義変更の手続きのことを相続登記と呼びます。
とはいえ、登記はあくまでも書類上の手続き。
実際には、相続登記がなされずに放置されてしまっている土地は日本中に存在するといわれています。
実は、2022年時点で相続登記に義務はありません。
相続登記せずに放置していても、罰せられることはないのです。
しかし、相続放棄せずに放置していると、将来的に問題が起こる可能性があります。
2022年時点では相続登記に義務はありませんが、相続登記せずに放置していると、以下のような問題が起こります。
それぞれ見ていきましょう。
まず、相続登記を済ませないと売却できません。
相続した不動産を売却する予定があるときは、先に相続登記を済ませておかないと売却手続きを進めることができないのです。
仮に相続登記を済ませていない土地の売却相談を受けたときは、相続登記を先に済ませてもらうよう、提案する必要があります。
相続登記を済ませておかないと、ローンを組んで土地の上に建物を建てることができません。
ローンを組むときは、通常、対象となる土地と建物に抵当権を設定します。
この抵当権を設定するときに、名義人が異なっていると手続きを進められないのです。
こちらも、新築住宅の販売や土地活用の提案の際には、先に相続登記を済ませるよう話をする必要があるでしょう。
相続登記する際には、相続人全員の書類が必要になります。
例えば、相続が発生してから数年以上放置してしまうと、その間に、相続人のうちの一人に新たに相続が発生するようなケースが起こりえます。
その場合、新たに発生した相続人全員の書類が必要になるのです。
田舎の土地などで、いざ建物を建てたり、売却したりしたいとなったときに、関係者が100人を超えて現実的に手続きできないといったケースも…。
このようなことにならないよう、相続登記はすぐに済ませるよう提案してあげるのがよいでしょう。
2020年時点では相続登記に義務はありませんが、2024年4月に法改正がなされ、相続登記が義務化されます。
相続登記が義務でないことで、日本全国に相続放棄されずに放置され、いざ必要となったときに手続きが複雑過ぎて進められないといった問題を解消するための法改正だといえるでしょう。
法改正後は、相続発生から3年以内に名義変更の手続きをしなければならなくなります。
なお、具体的には以下の2点を知った時点から日数を数えます。
法改正後、期限までに相続登記せずに放置していると、ペナルティとして過料10万円が課される可能性があります。
過料なので、犯罪ではなく、前科はつかないのですが違反にペナルティがつくだけでも大きな違いだといえるでしょう。
法改正がなされても、それ以前の手続き等には影響が及ばないケースもありますが、2024年の相続登記に関する法改正では、法改正前の不動産にも適用されることになっています。
例えば、2022年に相続が発生して、相続登記しないでいた場合、2024年の法改正から新しい法律が適用されて、過料が課される可能性があるのです。
なお、法改正後の期限は、法改正されてから3年間です。
つまり、法改正は2024年4月になされるので、2027年4月までに相続登記をしなければならないことになります。
相続登記についてお伝えしました。
以前より、相続登記に期限がないことは問題視されてきました。
実際に、不動産に関わる仕事をした人の中には、相続登記がなされずに数十年放置されて、どうにも手続きできないといったケースに出くわしたことのある方もいるでしょう。
2024年の法改正により、今後はこのようなケースは減っていくと予想されます。
これから不動産会社への転職を考えている方や、いま不動産会社で働いている方など、本記事でご紹介したような最新情報をキャッチアップしておくと、信頼を得ることにつながりやすいです。
具体的な手続きなどは、司法書士など専門家に任せることもできますが、不動産に関わるものとして、しっかり基本的な知識は得ておくことが大切です。
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