コラム:建設業界に転職するなら知っておきたい!今後の業界を左右する6つのトピック
投稿日 : 2019.04.22
日本トップクラスの市場規模を誇る建設業界。しかし、市場は伸びつつも深刻な人材不足に悩まされているため、活躍するチャンスが多い業界とも言えます。
今回は、そんな建設業界の今後を占う6のトピックを紹介していきます。建設業界に興味のあるかたは業界研究の参考にしてください。
平成22年には市場規模がピーク時の約半分にまで縮小した建設業界に、右肩上がりの回復のきっかけを与えたオリンピック特需。オリンピック関連施設の建設を筆頭に、環状線の整備や再開発など、10兆円規模の投資が行われました。
民間でも多くの外国人観光客に対応するための宿泊施設のリニューアルが積極的に行われており、2015年には投資額2500億円を超えています。(参考:日本銀行調査統計局「2020年東京オリンピックの経済効果」)
こうしたオリンピックの特需により順調に業績を伸ばしてきた建設業界各社ですが、今はオリンピック特需のピークを過ぎた後のことについて頭を悩ませています。
建設業界が頭を悩ませている大きな課題の一つに、深刻な人材不足が挙げられます。そんな人材不足の解決策として注目されているのが外国人材の受け入れです。
日本は移民政策をとっていないため、原則単純労働での外国人の就労は受け入れていません。しかし、人材不足に対応するために2019年4月から建設業での単純労働が認められたのです。
しかし、誰もがその恩恵を受けられるわけではありません。新設された在留資格を保有している外国人に限られ、雇用した側はしっかり届け出も出さなければなりません。
外国人を受け入れるということは、単に労働力を補充されるということには留まらず、建設業界に大きな変化をもたらすきっかけとなるでしょう。
人材不足のもう一つの解決策として取り組みが進んでいるのが、働き方改革です。今は国を上げて働き方改革に取り組んでいますが、建設業界に関しては国土交通省が「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定するなど本気の姿勢が伺えます。
改革の大きなポイントとしては「長時間労働の是正」「給与・社会保険」「生産性向上」の3つが盛り込まれていることです。
他の業界では通用しない常識がまかり通っている部分を是正して、もっと就労者が集まる業界にするのが目的です。
まだプログラムが策定されたばかりですが、今後少しずつ、働きやすい業界に変化していく兆しが見え始めたといえるでしょう。
人材不足の解決策として最も注目を浴びているのは、IT導入による業務の効率化かもしれません。
これまで5人で行っていた仕事をITを導入することで2人でできるようにすれば、人材が不足しても問題はありません。実際に、無人で稼働する自動運転の建機も現場に現れており、現場では人がどんどん少なくなっています。
また、ドローンを使用した3D測量や3Dプリンターを使った建築物・建材が登場するなど、人の仕事がどんどんロボットに代替されています。
現場に立つ人間に求められるスキルもこれからどんどん変わっていくことを考えると、業界が大きく変わっているタイミングだといえるでしょう。
オリンピック特需が終わって業界が縮小する懸念がある建設業界ですが、実は2020年以降にも大型のプロジェクトが待っています。
例えば2027年開通予定のリニア新幹線。リニア新幹線を走らせるための工事自体も大きなお金が動きますが、リニア新幹線が通る都市でも派生的に大きな開発案件が発生します。
また、高速道路の大規模更新も進んでいます。2014年度から2030年度までかかると予測されている大規模な工事です。これらの大規模な工事が行われてインフラが整うと、それに関連する案件も増えるため、業界全体が潤うというわけです。
今はどの業界でもM&Aが盛んに行われていますが、建設業界も例外ではありません。業界全体で見るとリーマンショックでなりを潜めていたM&A案件も、2017年にはバブル時代の案件数を超えて過去最大に。そして今はさらに積極的になっています。
建設業界におけるM&Aの増加の要因は、先行きの不透明さにあるといえるでしょう。オリンピック後の景気が読めない2020年問題や、2023年にはマイナス金利政策の推進者である黒田日銀総裁の退任が確実視されていることも、不安要因に挙げられます。
金利が上昇することにより、バブル崩壊の再来を予測する専門家もいるほどです。そのような懸念から、まだ調子のいいうちに企業を売却しておこうとする会社や、資金の豊富なうちに会社を買収しようと考える企業が増えているのです。
2020年以降の動向がよめないこと、深刻な人材不足が起きていることを発端に、今建設業界は大きく変わろうとしています。そんなタイミングだからこそ他業界の人間が活躍できるチャンスもあると言えるでしょう。
これから建設業界への転職を考えている方はぜひ、大きく変わる数年後の業界の姿を考えながら働いてみてはいかがでしょうか。
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