コラム:空き家対策特別措置法とは?特定空家等に指定されるとどうなる?
投稿日 : 2021.10.13
2015年に施行された空き家対策特別措置法についてご存じでしょうか。
日本国内で空き家が増えていることが問題になっていると聞いたことのある方もいらっしゃるでしょう。
政府はこうした事態への対応の一環として、空き家対策特別措置法を施行しました。
これから不動産業界への転職を検討されている方は、空き家対策特別措置法についての理解を深めておくと、ここ数年の空き家事情について知ることができるはずです。
ぜひご一読ください。
目次
空き家対策特別措置法は、空き家が原因で発生するトラブルを解消するため、2015年に施行されました。
家の所有者には空き家を適正に管理する義務があります。
空き家対策特別措置法が制定される前は法的効力がなかった為、各自治体が空き家条例などを作っても、最終的な判断は所有者に委ねるしかありませんでした。
空き家対策特別措置法が施行されたことにより、各自治体が調査を行い、問題があると判断すれば【特定空家等】として指定し、適正な管理を行わない所有者に対し行政指導を行い、状況の改善を促すことができるようになりました。
それでも状況が改善されなければ命令を出すことも可能です。
命令を受けたにも関わらず、改善が見られない場合、最終的に所有者に代わり行政が対応を行い、その費用を所有者に請求する【行政代執行】を行うこともあります。
実際に特定空家等に指定されるとどうなるのでしょうか。
特定空家等に指定されると、市町村から住宅の修繕や美化を行うように指導や助言を受けます。
指導・助言を受けたにも関わらず空き家の状況が改善されないと勧告が出されます。
この、勧告が出されると土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなる可能性があるのですが、これが大きなポイントです。
土地の上に建物が建っていると、固定資産税を最大で6分の1に抑えられる特例の適用を受けられます。これは空き家でも同様です。
一方、空き家を解体すると上記特例の適用を受けられなくなるため、空き家の解体を阻む要因となっていました。
空き家対策特別措置法の施行により、適切に管理されていない空き家は固定資産税の特例の適用を受けられなくなるため、この問題を解消することにつながります。
空き家が建っていても、きちんと管理されておらず、特定空家等に指定されると、固定資産税が最大で6倍になってしまうのです。
以下の4つの基準のいずれかを満たすと、問題のある空き家として【特定空家】に指定されます。
実際には自治体の職員や建築士や土地家屋調査士などが立ち入り調査を行い、基準を満たしているか確認した上で、指定します。
安全・衛生・景観・治安に問題がないかという点がポイントです。
以下、具体的に解説していきます。
建物の屋根や外壁、基礎、または門などが破損していて倒壊する危険性がある住宅は特定空家等として認定されます。
倒壊すると周囲への影響が大きい為、早期の対策が必要です。
管理されていない空き家は汚物やゴミの不法放置による悪臭が発生し、害獣が繁殖しているような状態になりやすい状況です。
衛生面において悪影響が及ぶと考えられる住宅は、特定空家等に認定されます。
敷地内の植物の手入れがされておらず伸び放題の状態、また建物に落書きがされていたり、窓ガラスが割れたまま放置されているような状態は周囲の景観を損ないます。
周囲の景観を損ねる住宅は特定空家等に認定されます。
放置された空き家には動物が住み着き、糞尿の匂いが発生していたり、積もった雪がまとめて落下する危険性がある、不審者が出入りし犯罪の温床となるなど、周辺の生活環境を乱すことにつながります。
周辺の生活環境を著しく乱すと考えられる住宅は特定空家等に認定されます。
不動産業界には空き家に関わる可能性のある職種があります。
具体的には以下のようなものです。
土地開発の職種は空き家付近の土地ごとまとめて買い上げて、大きな土地として販売を行います。
空き家の所有者と交渉し、買取りするといったことが考えられるでしょう。
不動産仲介では空き家を売りたい人と買いたい人を仲介することが考えられます。
契約が決まれば仲介手数料を得ることができます。
空き家を購入した人はリフォームやリノベーションを行う可能性が高いですので、合わせてその工事を受注することも可能です。
空き家の管理者が空き家を解体して新築住宅を建築するといったことが考えられます。
また住宅営業は空き家を解体することを条件に新築住宅用地として提案する場合などが考えられます。
空き家対策特別措置法と空き家について解説しました。
本記事でご紹介した、空き家に関係のある職種以外にもさまざまな分野で空き家に関わることはあるでしょう。
今後、国内の空き家はもっと増えていくことが予想され、不動産業界に転職すると関わる可能性は高くなるはずです。
これから不動産業界への転職を考えている方は、本記事の内容を参考に空き家に関する理解を深めてみてください。
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