コラム:生産緑地の2022年問題とは?生産緑地の仕組みや基本を徹底解説!
投稿日 : 2021.10.20
不動産関係者や農業関係者が気にしている、生産緑地の2022年問題についてご存知でしょうか。
1992年に制定された生産力地制度について、2022年にその多くが指定解除されて農地として管理する義務から解放されることに伴い、多くの土地が一気に売却されて地価の下落につながることが懸念されています。
今後不動産業界への転職を考えている方は、生産緑地の2022年問題について頭に入れておくことをおすすめします。
目次
まずは生産緑地の2022年問題とは何なのか、説明していきたいと思います。
そもそも生産緑地制度がどのような制度なのか、また2022年にどのような問題が起こると考えられているのか。
順番に説明を行います。
生産緑地制度は「生産緑地法」により1992年に制定されました。
市街化区域内に緑地がなくなってしまうと防災や環境の面で問題があると考えられ、市街化区域内にある緑地を守るために制定されたのです。
生産緑地制度の適用を受けると、以下の内容を遵守しなければなりません。
その代わり、土地の固定資産税が優遇されたり、相続税の納税が猶予されたりするなど、税金面でメリットを得られます。
以下で、生産緑地制度がなぜ2022年問題につながるのか、見ていきましょう。
生産緑地制度の適用を受けると土地の所有者に対して30年間は農地として管理する義務が生じます。
この期間は、営農を止めたり、農地を宅地に変更したりすることはもちろん、勝手に売却することもできません。
一方、上記通り生産緑地制度は30年間という期間が設定されています。
生産緑地制度が始まったのが1992年。また、生産緑地制度の適用を受けたのは8割が制度の始まった1992年となっています。
このため、その30年後にあたる2022年に生産緑地制度の適用を受けた農地の多くが生産緑地の期限を迎えることになるのです。
生産緑地が解除されると固定資産税の減免もなくなり、そのまま土地を所有し続けると負担が大きくなることも土地売却が加速する原因となっています。
このため、多くの土地が一斉に売りに出されることで地価の下落につながる可能性があります。
これらの問題が2022年問題と呼ばれているのです。
2022年問題はかなり前から問題となることが予想されていましたので、政府もこれに向けて様々な対策を講じています。
2017年に生産緑地法が改正され、税制優遇を10年間延長することが可能になりました。
指定解除されるタイミングで再度生産緑地に指定されることで、10年間優遇が延長されることになります。
2018年に都市農地貸借法が制定され、生産緑地を第三者に貸付しやすくなっています。
以前は生産緑地を相続すると相続税の猶予を受けられましたが、条件として相続人が死亡時まで農地として管理する必要がありました。
また生産緑地を第三者に貸し付けると、相続税の猶予がなくなりすぐに納付しなければなりませんでした。
しかし都市農地貸借法が制定されたことにより、第三者に貸し付けても納税猶予が継続できることになった点がポイントです。
その結果、生産緑地の貸付がしやすくなっています。
これまで生産緑地では農業用施設の建築のみが許可されていましたが、建築規制が緩和され農産物の直売所やレストランなどの建築が可能になりました。
農地としての選択肢が増えることで、土地の所有者が新しいビジネスをスタートさせるなど、利用方法の幅の広がりが期待されています。
これらの対策により、ある程度2022年問題が緩和される可能性もあります。
不動産業界に身を置くものとして、2022年問題にはどう対処すれば良いでしょうか。
不動産業界に転職すれば、プロとして土地の所有者に対してアドバイスする場面が出てくるはずですので、様々な提案ができるように対応について考えておきましょう。
実際に2022年にどの程度の土地が売りに出て、価格が下がるのかはわかりません。
しかし、実際に2022年に生産緑地の指定解除が起こると、多くの農地が宅地化されて市場に出て、供給が需要を上回ることは十分に考えられます。
こうなると、土地の売却を考えている人は大きく損をしてしまう可能性があるでしょう。
こうならないよう、土地の売却を考えている方に向けて、できるだけ早いタイミングで土地の売却をするよう、提案するのがおすすめです。
指定解除された生産緑地で多くの土地が売りに出される可能性があり、それに備えて農地に詳しくなっておきましょう。
農地の売却相談にも積極的に対応できれば、所有者からの信頼も得られ、ビジネスチャンスを手にすることができるかもしれません。
生産緑地の2022年問題について解説しました。
早くから問題視されていることから、政府も対策を講じていますが、実際に2022年問題がどの程度影響を及ぼすかはわかっていません。
これから不動産業界への転職を考えている方は、本記事の内容を参考に生産緑地に関する知識を身に付けて、2022年問題に備えておきましょう。
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