コラム:企業が副業を認める&禁止する理由とは。副業禁止の会社で副業をするリスク
投稿日 : 2019.12.27
2018年に厚生労働省により「副業解禁」が発表されたことで、副業を始めることを考えた方もいることでしょう。しかし、国の思惑とは異なり、まだ半数以上の企業が副業を検討すらしていないというデータもあります。副業禁止の会社で副業をするとどのようなリスクがあるのでしょうか。
この記事では、記号が副業を許可する理由と許可しない理由、また副業を禁止している企業で副業をするリスクについて紹介していきます。副業を検討している方は参考にしてください。
目次
まずは企業が副業を解禁する理由について見ていきましょう。
企業が副業を認める一番の目的は、優秀な人材の流出を防ぐことです。優秀な人材ほどチャレンジ精神があるため、他の仕事や会社に興味を持つこともあります。副業を禁止して独立されたり転職されるのに比べれば、副業を許可して社内に留めておきたいと考えているようです。
副業をすることで、社内では獲得できない知識や技術を身に着けてもらうことで、社内にいるだけではできない成長ができます。社外で成長して身につけたスキルや知識を、本業に活かしてもらうことを期待しています。
副業をして社外の方との繋がりができれば、本業に利益をもたらすこともあります。本業をしているだけでは作れないネットワークを構築して、本業に貢献してくれることを期待しているのです。
逆に企業が副業を解禁することで怖れているリスクについても見ていきましょう。
企業が一番怖れているのは、副業によって長時間労働が助長されることです。過労により体調を崩されれば、もちろん本業も休まなければなりません。場合によっては生活保障もしなければいけないので、企業は労働力を失うだけでなく支出まで増えることになります。
副業は人材の流出を抑える効果があると同時に、人材の流出を助長する効果もあります。副業することによって社外との密な繋がりが増えれば、それだけ他社に興味を持つ可能性も増えてしまいます。副業先の会社にそのまま転職してしまうケースも珍しくはありません。そのため企業によっては講演や執筆といったスポットの副業は認めても、継続的に働く副業を認めていない場合もあります。
副業をすれば少なからず気持ちが副業に割かれることになります。いくら時間外で副業をしたとはいえ、本業への影響がゼロとは言い切れません。本来休むべき時間に副業をされることで、疲れや寝不足の原因になるからです。本業に専念してもらいたいと思っている企業は少なくありません。
社会的には副業を推奨する流れがあるとはいえ、まだ半数以上の企業が副業を認めてはいません。それでも副業に興味のある方は、副業がばれるとどうなるか気になっていることでしょう。副業禁止の会社で副業をするリスクについても解説していきます。
そもそも企業に副業を禁止する権利があるのか見ていきましょう。基本的には従業員と言えども、企業が労働時間外の活動に制限を設けることは法律上できません。そのため、仕事が終わった後に休もうと、友達と遊ぼうと副業をしようと法律的には問題ないのです。ただし、法律では定められていないとはいえ、就業規則で定められているので仕事に全く影響がないとは言い切れません。
唯一、法律で副業が禁止されているのは公務員です。国家公務員法の103条と104条にて副業が禁止されています。もし公務員が副業をするのであれば、上司の許可を得るなどの条件があります。
副業禁止の会社で副業をしたとしても、法で裁かれることはないとは言え、就業規則を破っているのですから、懲戒を受ける場合もあります。就業規則の拘束力には様々な判断がありますが、実際に就業規則違反による懲戒処分が妥当だと判断されたケースもあります。必ずしも懲戒を受けるわけではありませんが、懲戒を受けやすいケースがあるのです。
例えば明らかに本業に支障をきたすような場合です。本業に明らかに悪影響が出るほど長時間の副業をして、懲戒解雇されたケースが実際にあります。また、副業が本業と競合関係にある場合も危険です。同業他社で副業をしたり、本業と同じ商品やサービスを副業と提供することなどが該当します。副業をする場合は、できるだけ本業とかけ離れたビジネスをするか、同じビジネスでも本業の顧客先や取引先と関わらないようにしましょう。
2018年は「副業元年」とも呼ばれますが、これから数年は副業社会への過渡期とも言えるでしょう。さまざまなキャリアが試行錯誤をしながら新しい働き方を模索しています。副業に興味のある方も、企業がどのような思惑を持っているのか考えて副業をすると効果的にキャリアを広げていけるでしょう。
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