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コラム:契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いや仕事で求められる知識を解説

投稿日 : 2021.06.16

契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いや仕事で求められる知識を解説

契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いや仕事で求められる知識を解説

2020年4月の民法大改正により、これまで「瑕疵担保責任」だったものが「契約不適合責任」へと変更になっています。

本記事では、不動産業界の基礎知識として「契約不適合責任」がどのようなもので、これまでの瑕疵担保責任とどう違うのかなど解説していきます。

契約不適合責任とは?

契約不適合責任とは、2020年4月の民法改正により初めて登場したものです。

民法上では「目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」に発生する責任と記載されています。

簡単にいうと契約の内容と合わないときに、売主側が責任を負う必要があるものだと考えるとよいでしょう。

なお、民法改正前は「瑕疵担保責任」と呼ばれていました。

瑕疵担保責任については、以下記事で詳しく解説しています。

瑕疵担保責任って何?基礎知識や2020年の法改正について解説

種類に関する契約の不適合とは

民法上の「種類に関する契約の不適合」とは、購入したものと違う種類の商品が引き渡されたケースが該当します。

品質に関する契約の不適合とは

民法上の「品質に関する契約の不適合」とは、引き渡されたものの品質が、契約上の基準を満たさないケースが該当します。

数量に関する契約の不適合とは

民法上の「数量に関する契約の不適合」とは、引き渡されたものの数量が契約の内容が示す数量に足りなかったケースが該当します。

契約不適合責任でできる4つの請求

契約不適合責任では、種類や品質、数量に不適合があった場合、4つの請求が可能です。

  • 追完請求
  • 損害賠償請求
  • 代金減額請求
  • 契約解除

それぞれ見ていきましょう。

追完請求

契約の内容に適合しないときに買主から売主に、適合したものを引き渡すよう請求できる権利です。

例えば、引き渡した商品の修理を請求したり、不具合のない商品の引き渡しを請求したりすることができます。

損害賠償請求

不具合により発生した損害を請求できます。

代金減額請求

追完を請求したのにも関わらず、売主が応じない場合には、買主は売主に対して代金の減額を請求できます。

契約解除

引き渡したものが契約の内容に適合しない場合、契約を解除して代金の返金を請求できます。

ただし、原則として追完請求したのにも関わらず売主が応じない場合に限られます。

契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い

契約不適合責任は民法が改正されたもので、瑕疵担保責任に代わって新たに登場した責任です。

そのため、瑕疵担保責任と似た性質を持ちますが、異なる部分もあります

ここでは、契約不適合責任と瑕疵担保責任の違いを解説していきたいと思います。

買主が請求できる権利が違う

契約不適合責任では「追完請求」、「損害賠償請求」、「代金減額請求」、「契約解除請求」の4つの請求が可能です。

一方、瑕疵担保責任では「損害賠償請求」と「契約解除請求」の2つの請求しかできませんでした

不動産の売買を仲介する仕事に就くケースでは、買主側、売主側に立ってどのような責任を追及できるのか(もしくは追及される可能性があるのか)明確に理解しておく必要があります。

契約不適合責任は「隠れた瑕疵」である必要がない

瑕疵担保責任を追及するには、「隠れた瑕疵」である必要がありました。

隠れた瑕疵とは、瑕疵(欠陥)について、「売買契約時点で買主が知らない」かつ「買主が通常要求されるような注意を働かせても発見できない」というものです。

例えば、売買契約を結んだ中古住宅について、引き渡し後に屋根に欠陥があり雨漏れが生じた場合、買主が売買契約前にこのことを知らず、かつ通常要求される注意力を働かせても、この欠陥を発見できなかったということが求められます。

しかし、契約不適合責任では「隠れた瑕疵」である必要がありません。

不動産の売買を仲介する仕事に就くケースでは、売主側の仲介に立つ場合、売却する物件についてより細部まで物件について把握しておく必要があるといえます。

契約不適合責任では「契約書に記載があるかどうか」が重要

上記通り、瑕疵担保責任では隠れた瑕疵について売主は買主に対して責任を負う必要がありました。

しかし、契約不適合責任では隠れた瑕疵である必要がありません。

このため、「買主が知っていた不備」についても、売主は買主に対して契約不適合責任を負う必要があります。

売主が中古物件を売却後に契約不適合責任を追及されることを防ぐためには、売買契約書に不備の内容を記載したうえで「買主が知っていた不備については責任を負わない」旨の記載をする必要があります。

不動産の売買を仲介する仕事に就くケースでは、売主側の仲介に立つ場合、物件の状況をよく把握したうえで、その状況を売買契約書に細かく記載する必要があるといえるでしょう。

契約不適合責任について理解を深めておこう

不動産に関する仕事に就くのであれば、不動産に関する法律の理解が欠かせません。

特に契約不適合責任については2020年4月に改正されたばかりということもあり、現在不動産関係の仕事をしている人でも、詳細な知識を持っていないケースもあります。

知識を持たないまま仕事を始めてしまうと、転職後にトラブルに発展してしまう可能性があるでしょう。

仕事をしながら知識をつけていくのでも問題ありませんが、不動産関係の仕事への転職を考えているのであれば、本記事の内容を参考に、契約不適合責任に関する基礎知識を身につけておくことをおすすめします。

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