コラム:清水建設、大林組…ゼネコン売上高ランキング上位の会社を徹底分析!
投稿日 : 2019.05.31
不動産業界の中でも、ゼネコンは安定したイメージがあります。では、ゼネコンの中でも上位にいる会社はどのくらいの売上高があるのでしょうか。
本記事では、ゼネコンの売上高ランキングをご紹介すると共に、ゼネコンで売上高が高い会社の特徴についてお伝えします。
目次
まずは、ゼネコンの売上高ランキングをご紹介します。
ここでは、上場企業のうち、建設業に分類される上位10社のランキングをご紹介します。
順位 | 企業名 | 売上高 |
1 | 大和ハウス工業 | 3.7兆円 |
2 | 積水ハウス | 2.1兆円 |
3 | 大林組 | 1.9兆円 |
4 | 鹿島建設 | 1.8兆円 |
5 | 大成建設 | 1.5兆円 |
6 | 大東建託 | 1.5兆円 |
7 | 清水建設 | 1.5兆円 |
8 | 住友林業 | 1.2兆円 |
9 | 長谷工コーポレーション | 8132億円 |
10 | 日揮 | 7229億円 |
(参考:ユーレット 業績ランキング「建設業売上高順位1〜20位」)
表の中で、一般的にゼネコン(主にスーパーゼネコン)に分類される企業は大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、長谷工コーポレーションが該当します。
大林組は虎ノ門ヒルズの施工を手掛けた他、東京スカイツリーも施工しています。
また、鹿島建設は東京駅丸の内駅舎保存復元工事や両国国技館、大成建設は品川アクアスタジアムや東京国際フォーラムなど、いずれも名だたるプロジェクトに関わった会社ばかりです。
なお、日本の代表的なゼネコンとしては、上記の大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、長谷工コーポレーションの他、竹中工務店がありますが、竹中工務店は非上場のため表には入っていません。
竹中工務店の平成30年の決算を見てみると、連結売上高は1.3兆円となっています。
次は、ゼネコンで売上高が高い会社について、それぞれどういった理由で売上高が高いのかを解説します。
まずは大林組について見てみましょう。
大林組はスーパーゼネコンの一社で、首都圏の都市開発の他、北米やアジアにも進出しています。
ゼネコンの中で大林組がトップの売上高となっている理由の一つは、海外事業売上高の増加です。
具体的には、2011年ころから積極的に海外でM&Aを展開したことにより、2012年に2,387億円だった売上高が、2016年には4,521億円にまで上昇しています。
大林組の連結売上高は2016年の1兆8,727億円から、2017年には1兆9,006億円へと微増しています。
次は、鹿島建設です。
鹿島建設もスーパーゼネコンの一つで、超高層ビルや耐震技術、原発技術に強みを持っています。
他のゼネコンも同様ですが、鹿島建設はオリンピックによる建設需要の恩恵を大きく受けています。
例えば、大林組の2013年の連結売上高は1兆6,127億円あったのに対し、鹿島建設は1兆4,850億円しかありませんでした。しかし、2018年には大林組に迫る勢いで売上高を伸ばしています。
鹿島建設の連結売上高は2016年に1兆7,427億円なのに対し、2017年には1兆8,306億円に微増となっています。
引き続き、大成建設についてご紹介します。
大成建設もスーパーゼネコンで、道路事業を完全子会社化しているのが特徴です。
大成建設は新国立競技場を担当していることもあり、鹿島建設と同様東京オリンピックによる建設需要ラッシュの恩恵を受けていると言えるでしょう。
大成建設の連結売上高は2016年の1兆4,872億円から、2017年には1兆5,854億円に増えています。
ただし、2013年頃から2018年頃まで概ね1兆4,000億円から1兆5,000億円台をいったりきたりしており、横ばいとなっています。
引き続き、清水建設について解説します。
清水建設もスーパーゼネコンの1社です。首都圏の民間建築が主力であり、環境エネルギーに注力しているという特徴があります。
なお、海外受注比率は1割未満と他のゼネコンと比べて低い水準となっています。
清水建設は首都圏の建築を主力としており、首都圏の再開発やインフラ施工で建築工事の売上が大きく伸びています。
国内建設需要が好調の中、海外比率が低いことも売上好調の理由だと言えるでしょう。
なお、清水建設は2018年3月時点の社員数が10,728人とゼネコンの中で最も規模が大きい会社です。
清水建設の連結売上高は2016年度1兆5,674億円だったものが、2017年度には1兆5,194億円に減少しています。
建設ラッシュの続く中、まさかの売上高減となっていますが、これは建築工事の竣工時期の問題によるもの。2018年度の業績では1兆6,649億円と大きく伸ばしています。
最後に、竹中工務店について解説します。
竹中工務店はスーパーゼネコンの1社ですが、スーパーゼネコンの中で唯一非上場の会社となっています。
なお、竹中工務店は売上高に占める建築部門の割合が9割を超えており、建築に強いゼネコンだと言えます。
ホームページや「竹中のデザイン」といった特設ページが開設されるなど、ゼネコンとしては珍しく、設計事務所に近い雰囲気を持つ会社です。
竹中工務店の売上高は2016年に1兆2,165億円だったのが、2017年には1兆2,959億円と増えています。
スーパーゼネコンは、いずれも東京オリンピック開催による建設需要ラッシュの恩恵を受けており、過去最高益を更新する企業も多いです。
直近の課題は東京オリンピック後にどのような戦略を取るかでしょう。各社の今後の動きに注目です。
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