コラム:あんこって何?片手仲介や両手仲介など仕組みから解説します
投稿日 : 2020.01.17
「あんこ」と聞いて、不動産仲介のあんこを思い浮かべる方はあまり多くないかもしれません。
あんことは、不動産用語の一つで、売主側の仲介業者と買主側の仲介業者以外に別の仲介業者が存在することを指します。
売主や買主と直接やり取りする業者とは違い、取引の表舞台に出てこず中に隠れている様子から、まんじゅうの中に隠れているあんこのようだとされたことからこの名で呼ばれているとされています。
本記事では、不動産仲介のあんこについてその仕組みを詳しく見ていきたいと思います。
目次
あんことは、買主側の仲介業者と売主側の仲介業者以外に別の仲介業者が存在する場合にその名で呼ばれるとお伝えしました。
一般的な不動産取引ではあんこになることはあまり多くなく、買主側と売主側に不動産業者が1社ずつつく形か、買主側と売主側の仲介を同じ不動産業者が担当するかのどちらかが多いです。
全社の取引を片手仲介、後者の取引を両手仲介と呼びます。
片手仲介とは、先述の通り、売主側と買主側にそれぞれ別の不動産業者がつく形です。
取引の際には、売主と買主、売主側の不動産業者、買主側の不動産業者の4社でやり取りすることになります。
売主は売主側の不動産業者に、買主は買主側の不動産業者に手続き等を進めてもらい、取引の日程等は売主側の不動産業者と買主側の不動産業者が連絡を取り合って調整していきます。
両手仲介とは、売主側と買主側の仲介を1社の不動産業者が担当することを指します。
取引の際には売主と買主の他に、両手仲介の不動産業者の合計3社でやり取りすることになります。
売主、買主ともに1社の不動産業者が担当することになるため、日程調整等はやりやすいでしょう。
ただ、不動産売買は「できるだけ高く売却したい」と考えている売主と「できるだけ安く購入したい」と考える買主の交渉の結果、売買価格が決定します。
両手仲介は、通常であれば売主の利益を優先して行動すべき立場と、買主の利益を優先して行動すべき立場の会社が別々に存在すべきところを、1社しかいなことから利益相反の立場となることが問題視されています。
あんことは、売主側の不動産業者、買主側の不動産業者とは別に不動産業者が存在する状況のことを指します。
あんこ業者は1社とは限らず、時には2~3社以上連なることがあり、1つの取引で売主と買主以外に不動産業者が4~5社つくこともあります。
あんこはなぜ起こるのでしょうか?
実は、あんこはインターネットが普及する前によく見られた仲介形態で、現在は少なくなっています。
インターネットが普及する前は電話やFAXを中心に物件情報のやり取りを行っていたことから、業界内の共有も進んでおらず、仲介を受けた業者が別の業者に情報を流し、情報を受け取った業者が売買を決めるといったことがあったのです。
現在では物件情報を共有できるレインズの登場もありあまり見られませんが、一部、売主側の事情により情報を広く公開したくない物件等の場合にはあんこ業者が生まれることもあります。
1つの取引に複数の不動産業者が登場すると、仲介手数料はどのように取り扱うのでしょうか?
仲介手数料は法律で以下のように上限が定められています。
仲介手数料の上限額=売買価格×3%+6万円+消費税
例えば、3,000万円の物件の取引であれば3,000万円×3%+6万円+消費税=105.96万円となります。
上記の決まりは片手仲介の場合、両手仲介の場合、あんこの場合のいずれにおいても同様です。
以下、片手仲介の場合と両手仲介の場合、あんこの場合とでそれぞれどのように仲介手数料が取り扱われるのかを見ていきましょう。
片手仲介の場合、売主は売主側の不動産業者は、買主は買主側の不動産業者へそれぞれ仲介手数料を支払います。
売買価格が3,000万円の場合、それぞれの不動産業者が受け取れる価格は以下の通りです。
両手仲介の場合、買主と売主がそれぞれ1社の不動産業者へ仲介手数料を支払うことになります。
このため、売買価格が3,000万円のときに両手仲介の不動産業者が受け取れる仲介手数料は以下のようになります。
両手仲介の不動産業者:105.96万円×2=211.92万円
あんこの場合、売主側と買主側が支払う仲介手数料は変わらないのにも関わらず、複数の不動産業者が仲介手数料を受け取ることになります。
この場合、受け取った仲介手数料をどのように分けるかは不動産業者が話し合って決めることになります。
例えば、売買価格3,000万円の取引に際し、売主側の不動産業者に加えて、1社のあんこ業者が入り、それぞれ等分することを決めた場合、それぞれの仲介業者が受け取れる仲介手数料は以下の通りです。
仲介の担当者としては、より多くの仲介手数料を受け取れる両手仲介が一番よく、一方で仲介手数料が安くなってしまうあんこはできれば避けたい取引だといえます。
不動産仲介のあんこについてお伝えしました。
最近ではあんこの取引は少なくなりましたが、取引の現場で突然伝えられて、焦ってしまうことのないよう、基本的な知識として身に着けておくことをおすすめします。
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