コラム:先の見えない「VUCAの時代」を生き抜くには。必要なスキルを紹介
投稿日 : 2020.05.29
現在、そしてこれからのビジネス環境を表す言葉として「VUCAの時代」という言葉が注目を集めています。4つの言葉を頭文字をとったもので、企業や個人にとって今後の戦い方や生き残りにかかわる重要な概念となっています。
この記事とはVUCAの意味を詳しく紹介し、VUCAの時代に求められる働き方やスキルについて紹介していきます。
目次
VUCAとは略語であり、次の4つの英単語の頭文字をとったものになります。
・Volatility(変動性)
・Uncertainty(不確実性)
・Complexity(複雑性)
・Ambiguity(曖昧性)
それぞれ、ビジネスシーンでどのような状況を意味しているのか見ていきましょう。
現代のビジネスシーンはテクノロジーの進歩が早く、次々と新しい技術やサービスが登場します。そのような時代に企業が生き延びるためには、スピードを持って時代に対応しなければなりません。また、変化が早いのは技術だけではありません。ユーザーの行動モデルや価値観も、以前に比べて大きく変化しています。まだスマホが普及していなかった10年前と比べて、私達の生活が大きく代わっていることを考えれば納得できるでしょう。このように目まぐるしく変わる環境にいち早く対応できる企業が、新しい市場で優位なポジションをとれるのです。
今の常識が1年後も常識であるとは限りません。例えば音楽業界に目を向けると、数年前までCDを買っていたのに、いつの間にかオンラインで音楽データを買うようになり、今では定額制で音楽を聞くのがスタンダードになっています。私達の生活やビジネスの常識はどんどん変わり、数年後の未来も見通せなくなっているのです。
ビジネスの形や働き方も大きく変わり、より複雑になっています。数年前はWebがビジネスのトレンドでしたが、今後はデジタルとリアルを組み合わせた、複雑なビジネスが主流になってきています。また、グローバル化が進み、世界中のビジネスシーンを意識しながらビジネスを展開しなければなりません。これまでは国内の市場だけに注目していればよかったものが、これからは世界の流れやトレンドにも注目しなければ、時代の流れに対応するのは難しいでしょう。
現代は人々のニーズが多様化しています。人によって求める商品やサービスが異なるため、企業にはより細かいリサーチが求められています。時には前例のないチャレンジが求められるため、いきなり大きく打って出るよりも、小さく作って改善を繰り返すことが必要になるかもしれません。「みんなが求めてる商品やサービス」は存在しないため、「誰にどんな価値を届けるか」を細かく設定していく必要があります。
ビジネスのルールが大きく変わるVUCAの時代では、求められるスキルも変わります。どのような考え方が必要なのか見ていきましょう。
かつて日本では「長く働くこと」が美徳とされ、「残業してでも成果を出す」という風潮が一般化されていました。しかし、変化の早い時代では、限られた時間で効率よく成果を出すことが求められます。1ヶ月で100点のものを作るより、半月で60点のものを作った方がいいケースも多々あるのです。どうすれば短期間で成果を上げれるか、生産性アップが重要なカギとなります。
これまでは、出された問題に対して早く正確に答えを出せる人が優秀とされてきました。仮に答えが分からなくても、先輩が答えを教えてくれました。しかし、今は問題を解く能力以上に、何が問題なのか考える能力が必要になります。自分が見つけた問題は、誰も答えを持っていないため、何が正解かわからない中で答えを作り出していくことも重要です。
これまでの仕事は社内のメンバーと働くことが一般的でした。しかし、これからはパートナー企業や業務委託など、様々なメンバーと働くことが一般化していきます。グローバル化により、異なる常識や働き方のメンバーと一緒に成果を出さなければいけない場面も増えていくでしょう。そのため、いち早く多様性を受け入れて、どんなチームでも成果に向かって仕事をする能力が求められます。また、マネージャーともなると、これまでのように「自分がやってきたことを教える」だけのスタイルでは通用しません。多様なメンバーの特性を理解しながら、メンバーをいかに活用して最大限の成果を生み出すか「リーダーシップ」が問われるでしょう。
かつての日本には、新卒で入った会社に定年まで勤め上げる「生涯雇用」という考え方がありましたが、その時代は終わりました。定年の年齢はどんどん上がり、いずれは定年という考え方自体がなくなる可能性も否定できません。そんな時代では、いつまでも働き続けるために柔軟性を持ちながら、社会に求められるスキルを身に着けていかなければいけません。
VUCAの時代は、それまでの常識が通用しなくなることが珍しくありません。凝り固まった考え方では、時代に取り残される危険も十分にあります。いつまでも働き続けるには、視野を広くし社会の流れを把握しながら、自分のキャリアを考えましょう。
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